2020年度 大学入学共通テスト

2020年度 大学入学共通テスト以降のセンター試験の変革

大学入学共通テスト

 

読み解き入試改革 センター試験が変わる 

 

 50万人以上が受験する大学入試センター試験が2020年度から「大学入学共通テスト」(新テスト)に衣替えする。国語と数学に記述問題が入り、英語は段階的に民間試験に移行するなど、センター試験より複雑になる。

■国語 実社会の文書登場

 新テストの導入は、入試をてこに高校や大学の教育を変える「高大接続改革」の一環だ。知識だけに偏らず、思考力や判断力を備えた人材の育成につなげようと、政府や教育界で4年以上、議論が重ねられてきた。

 新テストはどんな試験なのか。文部科学省が7月に示した実施方針などを手がかりに、国語からみてみよう。

 センター試験は現代文2問、古文、漢文から各1問の大問計4問(解答はマーク式)を出題している。新テストはこれに記述式3題程度を含む大問1問が加わり、80分だった試験時間は100分に延びる。

 作問や採点はセンター試験と同様に大学入試センターがする。記述式は採点者によって評価がぶれないよう採点基準を定め、成績は得点ではなく段階で表示。大学側はマーク式の得点と記述式の段階別評価を合わせて選抜に使うとみられる。

 問題はどう変わるのだろう。これまで国語の現代文は小説や論説文を出題していた。ところが、同センターが示した記述式の2つの問題例には実生活の中で使われる「実用文書」が登場した。

 1問目は、町の景観保護の指針に関する行政機関の広報文書に続き、親子の会話文を読ませた。そのうえで企業の提案書を行政文書の趣旨に沿って修正させたり、登場人物の主張を補う意見を書かせる問題を出した。

新テストの導入は、「高大接続改革」の一環として4年以上の議論が重ねられた

 2問目は駐車場の賃貸契約の書類が題材。利用者が不利益を受けないために管理会社に主張すべき点などを尋ねた。解答は最大120字で記述する。使う言葉や文章の流れを指定するなど、様々な条件がついた。

 従来型のマーク式問題も、思考力や判断力を図る内容に変わる。現代文は短歌の論評文と生徒の会話文、古文は「平家物語」の一部と現代人の会話文をそれぞれ読ませ、語彙力や登場人物の主張の理解などを問うた。

 実用的な文書から必要な情報を取り出す力や文書の作成者、登場人物の意図を読み解く力が問われる。

 記述式はマーク式より難しく感じられそうだが「実用文書の読み方に慣れれば対応できる。新しい分野だからといってあらゆる種類の文書を学ぶ、といった詰め込み型の対策は禁物

 

■数学 解法暗記、通用せず

 数学は大問4問の構成は変わらないが、記述式の小問3題が加わり、試験時間は70分と10分長くなる。公表された問題例では公園に設置する銅像について、男女2人が会話する場面を設定。長さや角度から銅像が最もよく見える位置を考えさせた。記述式の問題では不等式を用いて場合分けをさせたり、図形の角が鋭角であることを確かめる方法を書かせたりした。

 マーク式の例題では都道府県ごとの睡眠時間と平均気温、仕事時間のグラフを示し、未知のデータを正確に分析する力を試した。「正しいものを1つ選べ」などと正答数を示さず、正しい選択肢全てを選ばせる問題も登場した。

 会話文や日常生活にひき付けた問題が多く、文章をきちんと読んで理解する力も求められる。

 記述問題については解答が短くそれほど難しくはないが、問題を解く過程を論理的に考える力が必要。答えさえわかればいい、と解法の暗記に頼るような勉強習慣では通用しにくい。

 

 新テストははっきりしない部分も多い。

 作問や採点、評価方法などの詰めはこれからだ。文部科学省は10万人規模のプレテストで試行するなどして2019年度にも詳細な実施大綱をまとめる。受験料は記述式導入で採点の手間が増すため、センター試験(3教科以上で1万8千円)より高くなる見込みだ。大学側も新テストを選抜にどう使うかを決めなくてはならない。

 20年度入試の志願動向に変化は出る?

 センター試験に比べて複雑になるため『初年度は新テストが不要な私立大が好まれ、国立大の人気が低迷する』『19年度の受験生は浪人が激減する』と予想する予備校関係者も多い。

 新テスト開始後も改革は続くのか。

 英語は23年度まで、大学は現在のマーク式試験と文科省が認定した民間の資格・検定試験の一方、もしくは両方を利用できる。24年度以降はマーク式試験が廃止され、民間試験だけになる。

 同省は新テストの枠組みの中で、さらに入試改革を進める予定だ。地理歴史・公民や理科分野では24年度の記述式導入を検討する。将来的にはコンピューターで受験できるCBT方式を導入し、年に複数回に受験して一番よい成績を活用できるような仕組みも目指している。

第一回調査
第二回調査
記述式問題のモデル問題例 5月.pdf
PDFファイル 5.1 MB
マークシート式モデル問題例7月.pdf
PDFファイル 5.2 MB
平成28年度モニター調査実施結果.pdf
PDFファイル 356.2 KB

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