【大学受験】医学部の地域枠定員の現状

医学部

 

医学部受験には地域枠というのがあるのをご存じでしょうか。厚労省が医師不足の解消、地元占有率の向上を目的として導入したものです。

地域枠からの離脱が可能なケースがあるなどの問題を抱えています。

これは、地域医療に従事する意志のある地元出身者などを優先的に入学させる方式です。

 

 地域枠受験で入学した医学部生は、医学部卒業後に僻地医療や産科小児科医療など人材不足の領域で医師として定着し働くかわり、6年間の学費の全額または一部を奨学金として貸与されるという制度です。

 

卒業後の一定期間(9年程度)、医師として従事した場合、奨学金の返済が免除されることで実質的に学費が無料となります。

しかし、卒業後に医師として指定した地域の医療機関で一定期間働かなければ、貸与された奨学金は返済する義務が生じます。

また、僻地には最新の医療設備がない場合も多く、高度先端医療などの勉強を希望する医学部生にはデメリットとなります。

 

さらに、地域枠の定義があいまいなため、地域枠からの離脱が可能なケースがおこり、地域枠受験の不平等是正の対策が急務となっています。

 

参考:全国医学部地域枠定員

参考:全国医学部地域枠定員
参考:全国医学部地域枠定員

 

旭川医科大学医学部 AO入試北海道特別選抜:32名 推薦入試道北・道東特別選抜:10名 札幌医科大学医学部 北海道医療枠(一般):55名 地域枠(推薦):20名 特別枠(推薦):15名 弘前大学医学部 AO入試:50名(青森県30名含む) 岩手医科大学医学部 地域枠特別推薦入試A:15名 地域枠特別推薦入試B:8名 地域枠特別推薦入試C:5名 東北大学医学部 医師確保対策枠(一般):10名 秋田大学医学部 秋田県地域枠(推薦):19名程度 全国地域枠(推薦):5名程度 山形大学医学部 地域枠(一般):8名 福島県立医科大学医学部 推薦B枠(県内):12名程度 推薦B枠(県外):7名程度 一般地域枠:20名程度 筑波大学医学部 推薦入試:22名 県内枠(一般):9名 全国枠(一般):6名 獨協医科大学医学部 AO栃木県枠:3名 一般・センター栃木県枠:7名 公募推薦:10名 群馬大学医学部 推薦入試:7名 一般入試:9名 埼玉医科大学医学部 地域枠:15名 杏林大学医学部 東京都地域枠:10名 茨城県地域枠:2名 順天堂大学医学部 東京都地域枠:10名 新潟県地域枠:2名 千葉県地域枠:4名 帝京大学 福島県地域枠:2名 茨城県地域枠:1名 千葉県地域枠:5名 東京医科大学 茨城県地域枠:8名以内 山梨県地域枠:2名 東京医科歯科大学 茨城県地域枠:2名以内 長野県地域枠:2名以内 東京慈恵会医科大学 東京都地域枠:5名 東邦大学医学部 千葉県地域枠:5名 日本医科大学医学部 福島県地域枠:1名 千葉県地域枠:3名 北里大学医学部 相模原市地域枠:2名 茨城県地域枠:2名 山梨県地域枠:2名 神奈川県地域枠:5名 東海大学医学部 神奈川県地域枠:5名 横浜市立大学医学部 神奈川県指定診療科枠:5名 地域医療枠(一般前期):20名 地域医療枠(推薦):5名 新潟大学医学部 地域枠A(推薦):5名 地域枠B(推薦):12名 山梨大学医学部 地域枠(推薦):35名以内 信州大学医学部 長野県地域枠(推薦):20名 富山大学医学部 特別枠(自己推薦):10名 地域枠(推薦):15名以内 金沢大学医学部 石川県地域枠:10名 富山県地域枠:2名 岐阜大学医学部 地域枠:28名 藤田医科大学医学部 愛知県地域枠:10名 愛知医科大学医学部 愛知県地域特別枠:10名 名古屋大学医学部 地域枠(推薦):7名 三重大学医学部 三重県地域枠(一般):5名 三重県地域枠(推薦):30名 福井大学医学部 福井健康推進枠:10名 福井県地域枠(推薦):5名 滋賀医科大学医学部 滋賀県地域枠:13名以内 京都府立医科大学医学部 特別推薦選抜:7名 関西医科大学医学部 大阪府地域枠:5名 近畿大学医学部 大阪府地域枠:3名 奈良県地域枠:2名 和歌山県地域枠:10名 静岡県地域枠(一般):5名 静岡県地域枠(推薦):15名 大阪医科大学医学部 大阪府地域枠:2名 大阪市立大学医学部 大阪府地域枠:10名 大阪府指定医療枠:5名 神戸大学医学部 兵庫県地域枠:10名 兵庫医科大学医学部 地域指定制推薦入試:5名以内 兵庫県推薦入学制度:5名以内 奈良県立医科大学医学部 奈良県地域枠:25名 緊急医師確保特別入試:13名 和歌山県立医科大学医学部 地域医療枠:10名 県民医療枠:20名 鳥取大学医学部 鳥取県地域枠(推薦):5名 特別養成枠(推薦):5名 鳥取県地域枠(一般):14名 兵庫県地域枠(一般):2名 島根県地域枠(一般):5名 山口県地域枠(一般):1名 島根大学医学部 島根県内定着枠(一般):7名 緊急医師確保対策枠(推薦):5名以内 川崎医科大学医学部 静岡県枠:5名 長崎県枠:5名 中国四国枠:約15名 岡山県地域枠:約5名 岡山大学医学部 岡山県地域枠:7名 鳥取県地域枠:1名 広島県地域枠:2名 兵庫県地域枠:2名 広島大学医学部 広島県コース:18名 岡山県コース:2名 山口大学医学部 地域枠:15名以内 特別枠:15名以内 徳島大学医学部 地域枠:17名(うち特別枠を最大12名) 香川大学医学部 地域枠(推薦):10名程度 県民医療推進枠(推薦):5名 地域医療推進枠(一般):9名 愛媛大学医学部 愛媛県地域枠:20名 高知大学医学部 地域枠(一般):10名 四国・瀬戸内地域枠(推薦):15名 大学名 地域枠募集定員 久留米大学医学部 地域枠推薦:15名 福岡県特別枠:5名 佐賀大学医学部 佐賀県推薦枠:2名 佐賀県枠(一般):23名 長崎県枠(一般):1名 長崎大学医学部 地域医療枠:15名 地域医療特別枠:8名 佐賀県枠:2名 宮崎県枠:2名 熊本大学医学部 地域枠:5名以内 大分大学医学部 地域枠:13名 宮崎大学医学部 地域枠:10名 地域特別枠:10名 鹿児島大学医学部 地域枠:17名 琉球大学医学部 地域枠:14名 離島・北部枠:3名

 

 

過去には2018年までの10年間で約9倍にも増加

過去には2018年までの10年間で約9倍にも増加
過去には2018年までの10年間で約9倍にも増加

 

医師の偏在が深刻化し、国が2008年度に地域枠を導入する医大に定員増を特別に認めたことで急速に増えました。

 

例えば札幌医科大学は定員の8割を地域枠に充てるといった、地域医療中心の公立大が積極的に活用しています。

全国的には枠を拡大し、医療過疎地へ医師を送る自治体も目立ちます。

 

ところが、京都府立医科大学の地域枠が自治体設置の公立医大8校の中で、最少の7人となっています。

京都府は「府立医大は全国の医療充実に貢献している実績がある」と増員に慎重。

 

京都府は府内の中高出身者などを対象に、在学6年間で奨学金計1080万円を貸与、研修後に6年間、南丹市以北の医療機関に勤務すれば返済免除。

ただ枠は医学部定員の約6%で、地域枠を導入する国公立・私大の計71大の17年度平均(20%)より低く、国公立45大では東京医科歯科大(4人)、名古屋大(5人)に次いで少ない状況です。

 

府立医大によると、17年度入学者のうち府内の高校出身者は43%で、例年も3~4割程度。

府内病院で研修を終えた卒業者が、府内の病院に勤務した割合は68%(16年度までの3年平均)と、全国平均(85%)より低。

 

大学は「奨学金は府民の税金で予算上の問題がある」とした上で、「地域医療に加え、全国の病院で活躍する医師の養成も重要。定員が増えないまま地域枠を拡大すると、一般受験者の門戸を狭めてしまう」と説明。

定数増が認められた7人分の地域枠を充て、一般枠100人を変えていません。

 

京都府内の病院が研修医から人気が高いことも理由。

他府県からの希望者が多く、国から都道府県に割り当てられる研修医定員は毎年、ほぼ満員に。

研修医流出に悩む他県から削減を求める声があるといい、「地域枠を増やしても、府内で研修できない恐れもある。研修医定員の死守が先決」ということです。

 

 

地域枠の増員期間は2019年度まで

 

2018年度の国公私立大学(81大学) 医学部入学定員は9,419名で、2017年度の9,420人より1名減少。

 

2022年度の入学定員は現在の水準を維持

 

医学部入学定員は、将来的には抑制していく方向ですが、2021年度の入学者分までは地域偏在を是正するための臨時増を各都道府県について認めるとなっています。

2022年度の入学者以降については未確定で、2022年度の医学部入学を目指す現在の高等学校2年生の進路決定に資するように2022年度の医学部入学定員の在り方を決める必要がありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で議論がストップしてしまいました。

 

2022年度の医学部入学定員は2020・21年度と同様の方法、つまり、地域偏在を是正するための臨時増を各都道府県について認めるとすることを決定しました。

大学受験を間近に控えた高等学校3年生になってから、医学部の入学定員を大幅削減すると伝えなければならない可能性があり、競争率が急騰し、受験生に負担がのしかかるためです。

 

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